ウェアラブルデバイスには、腕時計型やリストバンド型、近年注目を集める耳に装着する日アラブルデバイスなど様々。

多様なウェアラブルデバイスの中でも、一時期は期待が高まり、現在では期待の熱が沈静化しているのがスマートグラスではないだろうか。

社会にインストールされるには時間がかかるスマートグラス

Googleからメガネに装着するタイプのウェアラブル端末「Glass」が発表されたのは2012年だった。

Glassは、小さな透過型ディスプレイやマイクを備え、写真や動画の撮影、動画中継、通話、メッセージ、ナビゲーション、通知の確認といったことができる未来のデバイスとして期待を集めた。

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メガネ型のデバイスであれば、スマートフォンとは異なり、手や視界を塞ぐことない。目の前の人や現実と向き合ったままハンズフリーでネットやアプリを利用できる。このデバイスは社会課題にもなってきている”スマホ歩き”をなくすのでは、とも期待された。

GoogleのGlassのみならず、様々なスマートグラスが発表された。デバイス自体の未来感のあるフォルムや、ユーザーが装着している様子からはSFチックな未来を感じられ、心惹かれる人々も大勢いた。が、未来感ある見た目というのは一般受けしにくい。

見た目以外にも、ハードルはあった。カメラのプライバシー懸念やキラーコンテンツとなるアプリが登場しないこと、価格の制約などもあって、一般消費者向けのバージョンはリリースされないまま、Glassは2015年にプロジェクトを終えた。

一般消費者向けとしては上手くいかなかったGlass だが、現場作業補助のための業務用としては開発とテストが続けられた。特定の状況下であれば、見た目も気にならないし、用途を見いだしやすい。

業務用としては開発が進んだものの、やはり社会に浸透するハードルは高い状況が続いていた。が、それも変化しつつある。

社会的なコストをおさえる網膜投影型のデバイス

インテルが網膜投影の技術を活用したデバイスを開発していることをテクノロジーメディアのThe Vergeの取材が明らかにした。

インテルが開発している「Vaunt」は、低出力の赤色レーザーとホログラフィック反射板を組み合わせて、単純な画像を網膜に直接投影することに成功したという。

インテルは、Vauntに関して社会的なコストの低さも重視していると語っている。Vauntは普通のメガネの見た目に近く、スマートグラスが抱えていた見た目の問題もクリアされることが期待できる。

目の奥にある網膜に直接映像を照射するタイプのスマートグラスの開発はこれまでも行われてきた。「マジックリープ」やQDレーザ、メディアアーティストとして知られる落合陽一氏が代表を務めるピクシーダストテクノロジーも開発している。

網膜投影型のスマートグラスはメガネに近く、前述の通り社会的なコストが下がることが期待される他、視力が低下している人でも問題なく投影できる特徴があるという点も特徴だ。網膜投影型のディスプレイは、かつてのスマートグラスが抱えていた課題をクリアし、より多くの人々が利用できるようになる可能性を秘めている。

搭載する部品の小型化や価格の問題、使用できるアプリケーションなど課題はまだまだあるが、可能性の大きさには期待したい。

ウェアラブルデバイスは一定の市民権を得た。スマートグラスが市民権を得るのはもうそろそろだろうか。