変化の渦中にあるTechnologyチーム

ツクルバのTechnologyチームは、社内の特定の事業部に属さないエンジニア集団だ。主にソフトウェア分野のスペシャリストによって構成されている。各事業部と横断的に関わる特性から、tsukuruba studios発足以前から独立した部署として存在していた。

tsukuruba studiosの立ち上げとともに、Technologyチームもstudiosとなったが、社内での事業横断的な役割は変わらない。その一方で、チーム発足時から変化した点もある。以前は別の部署だった、建築分野の専門家集団であるArchitectureチームとの距離が近くなったことだ。また、ツクルバの全社的な成長に伴って、チームメンバーは1年前から倍増した。

様々な職能のメンバーで構成されるstudiosの一部として、また急成長するツクルバの中で、Technologyチームが目指すべき姿はどのようなものなのか。そのためには何をすべきなのか。そういったチームのビジョンを、改めて定義すべき時が来たように思う。

そこで、ファシリテーターとして及川卓也氏を社内に招き、ツクルバのTechnologyチームが目指すべき姿をディスカッションするワークショップを行った。MicrosoftやGoogleでエンジニアとして長年活躍した及川氏は、エンジニアリング組織におけるチームマネジメントの大先達だ。

及川卓也

早稲田大学理工学部を卒業後、1988年、日本DECに入社し、営業サポート、ソフトウエア開発、研究開発などに従事。97年、マイクロソフトに転職し、Windows製品の開発統括に携わる。2006年に入社したグーグルでは、Web検索のプロダクトマネジメントやChromeのエンジニアリングマネジメントなどを行う。2015年、技術情報共有サービス『Qiita』を運営するIncrementsに転職。17年6月に独立し、プロダクト戦略やエンジニアリングマネジメントをテーマにスタートアップ支援や講演活動などに取り組んでいる。

チームの理想像を探るワークショップ

ワークショップの進め方を説明する及川氏

まず及川氏から、今回のワークショップの進め方について説明。最初に各チームメンバーが考える理想のチーム像をアウトプットし、それを全員で共有する。その理想と現実の間には何かしらのギャップがあるはずなので、それを埋めるためにチームとして何をすべきかを議論していく。

ポストイットに理想の要素を書き出す

各々が考えるTechnologyチームの理想像を、なるべく細かい要素に分けてポストイットに書き出していく。細かく分けるのは、後でグルーピングしやすくするため。

ポストイットをホワイトボードに貼り出す

一通り書き出せたら、ひとつずつホワイトボードに貼り出しながら全員に共有する。ポストイットに記した内容に加えて、なぜそう思ったのか、その背景についても補足していく。

近い項目をホワイトボード上でグルーピング

全員分を貼り出したら、及川氏を中心に、内容の近い項目をグルーピングしていく。すべての項目について議論するには時間が足りないため、特にこの場でディスカッションしたいグループを投票で決定した。今回、投票によって選ばれたのは次の4項目。

  • ものづくり志向: プロダクトファースト・ユーザーファースト
  • コラボ: 技術分野の積極的横断
  • 組織拡大: 組織規模の拡大に負けないチーム体制
  • 事業×Tech: 社内の複数事業との密接な連携

投票で選ばれた項目についてディスカッション

ここでメンバーを二手に分け、投票で選ばれた4つの項目についてディスカッション。ここでの議論のゴールは、理想と現実の間にあるギャップを捉え、それを取り払うためのアクションを導き出すこと。議論は白熱し、当初予定していた終了時間をオーバー。及川氏の厚意もあり、場所を変えて延長戦へ突入した。

ディスカッションの内容を書き出しながら共有

延長戦を経て、最後にメンバー全員で、それぞれディスカッションした内容をホワイトボードに書き出しながら共有。理想と現実のギャップを埋めるための、いくつかの具体的なアクションを導き出すことができた。

理想を現実にするために

Technologyチームでは、今回のワークショップによって導き出されたアクションのいくつかを早速実行している。特にstudiosと他事業部との連携をより密にするためのアクションが活発だ。

ツクルバのメンバーであれば誰でも参加できる、ピザを食べながらプロダクトの改善点を洗い出す社内イベント『Pizza-1』。Technologyチームのメンバーが、カウカモのお客様役として物件の内見案内に参加する『テックロープレ』。アプリのリリース毎の変更点を画像付きで細かく解説する試みなど、いくつものアクションが継続的に試されている。

今回のワークショップでは、今まで個々のメンバーが考えていた課題や理想を、チームのものとして昇華できたことが何よりの収穫だ。また、及川氏のような外部の視点があることで、社内にある既存の思惑やしがらみに左右されず議論の内容を整理できたことも非常に大きい。

ツクルバの成長を支える専門家チームとして、またstudiosの多様性の一翼として。今後もTechnologyチームは目指すべき姿を追い求め、そのための改善を続けていけるチームでありたい。