ツクルバでは昼過ぎになると、誰かがコーヒーを淹れる。漂ってくる香りと、Slackの「コーヒー淹れたよ」というメッセージに反応して、様々な部署のメンバーが集まってくる。コーヒーと何気ない会話を楽しみ、リラックスした表情で席に戻っていく。ツクルバのオフィスでは、コーヒーのつくる「場」がごく自然に生まれている。

コーヒーから始まるコミュニケーションの「場」がオフィスの外にいる人とも共有できたら、多様な人と繋がる機会がつくれるのではないか。そう考えたツクルバのCCO中村が、コーヒーを起点とした場づくりを構想しはじめた。

ただしコーヒーだけを作っていては、ツクルバがただのコーヒー屋さんだと思われてしまうため、ツクルバのユニークネスが伝わる場にしたい。

そこで着目したのが、エンジニアもアーキテクトもデザイナーもいるtsukuruba studiosという環境。アーキテクトとデザイナーが協力して作り、エンジニアがコーヒーを提供する、そんなツクルバならではのコーヒープロジェクトが発足した。

コーヒーの要件定義

コーヒーを開発するためには、ターゲットを設定しなければいけない。ツクルバではエンジニアが中心となってコーヒーを淹れていたので、ターゲットを社内外のエンジニアに定めた。そして味のテーマは中村の想いも込めて、「昼下がりに一息入れて午後のコーディングも捗るような、リラックスとフォーカスが共存するテイスト」に定めた。

コーヒーづくりはONIBUS COFFEEの代表である坂尾さんに協力してもらった。ONIBUS COFFEEとの共同開発なら、味は間違いないだろう。

また社内のエンジニアの好みの味だと、社外のエンジニアを惹きつけられない可能性もあったため、社外からエンジニアを呼び、ブレンドづくりを行った。

味とストーリーによる、コーヒーの議論

ONIBUS COFFEE中目黒店に、発起人の中村と弊社エンジニア2名、そして外部のエンジニア3名が集まり、カッピングという手法で豆を選んだ。

まずは産地などを伏せた状態で試飲する。5種類のコーヒーをスプーンですくい、少量を味わう。どれも特徴的な味があり、味の解説を聞きながらコーヒーの味の深さを知る。

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次にそれぞれの豆の産地生産者のストーリーが紹介される。若くしてコーヒー農園を継いだオーナーの話からベンチャー精神を感じたり、売り上げの数パーセントを幼稚園などに寄付する農家の話から人とのつながりを感じたりと、コーヒーの味と同じくらいの“深さ”を味わっていく。

最終的には5種類のコーヒーを混ぜながら、理想の味とストーリーを兼ね備えるコーヒーを坂尾さんも含めて議論。最終的に2種類に絞った。

コーヒーの種類と名前の決定

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ONIBUSでブレンドした試飲用のコーヒー2種類を、studiosメンバーで味わう。皆一口飲むと、どちらも「おいしい、、、」と呟いてしまう。淹れる方法によって味が変わるので、少し淹れ方変えて2回試飲をし、1種類に定めた。

ブレンドの名前は何だろう。

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このプロジェクトはtsukuruba studiosのメンバーで行っているため、メンバーのSlackチャンネルでブレスト(というよりも大喜利?)を実施した。「昼下がりに一息入れて午後のコーディングも捗るような、リラックスとフォーカスが共存する」というテーマに対し、最終的に決まった名前は「ESC」。エンジニアが作業中の仕事を一時的に中断する際に押す「ESC」キーのように、頭を切り替えるための「ESC」コーヒーだ。

無事に名前も決まったが、コーヒー作りだけでは終わらないのが、ツクルバのコーヒープロジェクト。 後編では「屋台」について紹介します。