現在、私はtsukuruba studiosでバックエンドエンジニアとして働いています。仕事以外では「しがないラジオ」というエンジニアの多様なキャリアを紹介するPodcastを運営したり、ブログを執筆したりしています。本エントリでは、技術書を初めて執筆して頒布するまでの経緯を紹介します。

技術書典とは

「新しい技術に出会えるお祭り」というコンセプトを掲げている国内最大級の技術書同人誌専門即売会で、誰でも参加することが可能です。

2019年4月14日に池袋のサンシャインシティにて開催された技術書典6には、書籍を頒布する参加者と一般参加者合わせて約1万人が来場しました。

技術書典は同人誌専門即売会ながら、ITや機械工作などについて書いた本であれば頒布することができるので、同人誌だけでなく一般的な商業誌も並んでいます。

幅広く利用されている技術についての内容が多い商業誌と、ニッチな技術や先端技術が広く普及する前のエッジーな情報が載っている同人誌、両方を楽しめるのが技術書典の面白さのひとつ。

また、同人誌というと、漫画、アニメやゲームの二次創作というイメージがあるかもしれませんが、技術書典で扱われる同人誌の多くには、著者が日々の業務や趣味の活動で培われたノウハウなど一次情報が記されていることが多いのも特徴的です。

頒布のきっかけと結果

私は、2回前去年の春に開催された技術書典4に、一般の参加者として来場しました。今回よりも狭い会場での開催したうえ、4月にしては暑い日で気温も相まって熱量の高いイベントだなと感じたことを覚えています。

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技術書典4の入場待ち行列の様子。4月でも6月並みの天候でかなり暑かった。

その次の技術書典5では、書籍を頒布する側として参加しました。ただ、複数人で執筆し自分の担当が付録部分だったため、貢献度が小さく達成感も感じられませんでした。

「自分の体験や知識で、他人に良い影響を与えている感覚を得たい」と、次回は正味の内容を決めるところから考え、自分で執筆することにしました。

技術書典6で私が頒布したのは、エンジニア初心者が初めてチームで開発する際に必要となる、ツールの使い方やマインドセットを書いた「チーム開発1年目の教科書」という書籍です。

印刷した200部はすべて完売、残りはPDFのダウンロード販売をし、計253部を頒布することができました。

実際にやったこと

まず書く内容を決める際「他人に良い影響を与えている感覚」を得るためには、普段考えていることを言葉にするのが適しており、なるべく大勢の人に読んでもらいたいと考え、結果、同人誌らしいエッジーな内容ではなく、多くのエンジニアの方が経験したことあるような間口を広げた内容にしました。

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実際の目次

書籍を執筆するのはもちろん初めてだったため、それに関する書籍を2、3冊読みました。最も参考になったのは「エンジニアの知的生産術」という本です。

この本の中ではツールとして付箋を利用していましたが、私はスマートフォンやmacなどの複数の端末で編集したかったため、カンバン式のタスク管理ツールである「Trello」を利用しました。

具体的には、以下のようにして執筆を進めました。

  1. 付箋を大量に持ち歩く
  2. 書籍の内容に関わるような単語を思いついたら随時書き出す
  3. 付箋にメモした内容をTrelloに入れる
  4. 一定期間(2ヶ月程度)の後、関連しそうな項目をまとめる
  5. 章立てと節をつくる
  6. Trelloのコメントに箇条書きで内容を書く
  7. コメントの内容をコピーペーストし本の大筋をつくる
  8. 肉付けし、完成

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同人誌は通りすがりに手にとってもらうことが重要なので、表紙にもこだわりたいと、tsukuruba studios creative室のshoさんにデザインをお願いしました。

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商業誌のようなデザインの表紙な仕上がりに。

同人誌の表紙は内容に関係のないイラストなどが多いので、実際に当日も目を引いていました。紙の質感を確認出来たのもよかったと思います。

感想と今後

100ページもある技術書を「書籍を執筆している」という感覚ではなく、自分の思考をアウトプットした結果「本になっていく」というボトムアップ式で書ききれたということは、とても大きな成功体験になりました。

また、実際に購入いただいた方から勉強になったというフィードバックを頂いたり、この書籍を使って勉強会を開きたいと言って頂いたりと、「自分の経験や知識が、他人に良い影響を与えていること」を感じることができました。

引き続き、様々な方法でエンジニアとしてのアウトプットを続けていきたいと思います。

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