実践を通じて感じた、デザイナーに求められる2つの力

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柴田:ひとつは『相手の言語に合わせてデザインを説明する力』です。 例えば、会社の名刺を1枚200円かかる仕様で提案したとします。それを提案するとたまに「えっ、200円もするの?高くない?」と言われることがあって。その時にデザイナーが「分かりました、50円に収まるようにします」と答えるのと「この名刺は、会社にとってこういう役割で、こう機能します。それを達成するには、この仕様が最適だと思っているので、1枚200円かかるんです」と答えるのでは大きく違うと思っています。後者のように「なぜここにお金をかけるべきなのか?」という問いを、ビジネスサイドの目線に立って説明できる力が大切です。

この力がないと、自分が提案した仕様は却下され、クオリティを下げて完成することになります。本来実現したかったことを守るためにも、相手が理解できる言葉で伝え、価値を共有することは、デザイナーにとって大事なスキルです。

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柴田:ふたつ目は『領域を越境しながら何でもやる・やれる力』ですね。業務範囲が広く、スピードが求められるのがスタートアップです。誰かが決めてくれたり、作業が終わるのを待っていたりすると何も進まないどころか、下手したら会社が終わっちゃうみたいな事態になるんですよね。とにかく自分でボールを持って前に進めながら、業務の領域を越えることが必要です。デザイナーも同じように自分のスキルや領域の枠を越えて、どんな案件でも主体的にチャレンジする力が必要になります。

仕事で成果を出すために必要な能力の身につけ方

柴田:仕事で高い成果を出そうと思った時、インハウスデザイナーに特に求められる重要な能力が『共通スキル』と呼ばれるインナーマッスルです。また、共通スキルには2種類あり、『対課題スキル』『対人スキル』に分けられます。

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柴田:共通スキル(インナーマッスル)は専門スキル(アウターマッスル※)を発揮するための土台です。共通スキルを鍛えることによって、はじめて専門スキルで効果が発揮されて仕事で高い成果を出すことができます。

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※専門スキル(アウターマッスル)……デザイン基礎力・アプリケーションスキル・媒体知識などを指しています

柴田:スポーツ選手がインナーマッスルを鍛えて競技の基礎となる動きを安定させるのと同じだと考えてみましょう。これをデザイナーに置き換えると、デザインのインナーマッスルが備わっていれば、紙面のグラフィックデザインからWebデザインやUI/UXデザインに領域を広げたとしても活躍できます。

まずは自立。鍛えたいスキルを磨くために負荷をかける

漠然と「共通スキルを鍛えよう!」と思っていても、今の自分にどんなスキルがあって、どのスキルが足りていないのか把握しなければ、鍛えるのは難しいのではないでしょうか。そこで、このフレームワークから自分のフェーズを分析してみましょう。

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ツクルバではこのように共通スキルを分解して、スキルの観点を設定しています。表の中にある各項目に対して、自己採点と上長採点を行います。両者間で認識の齟齬がないか1on1で擦り合わせて、足りてないスキルを明確にしていきます。何が足りていないか明確にすることで「この仕事では特にこのスキルを意識してやってみよう」と業務内で意識しながら能力開発することが可能になります。

柴田:鍛えたいスキルが明確になったら、普段の業務にそのスキルを意識しながら取り組んでみる。例えば制作系の事務所に勤めている人なら、ディレクターさんや営業さんではなく、自分でクライアントと話してみるとか。あとインハウスデザイナーなら、たまには同じようなキャリアや職種の人ではなく、違う領域の人との仕事に挑戦するとか。特定の筋力をつけるためには、仕事の中で自らアクションして自分に負荷をかけ続けることが大事です。

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柴田:そうやってアクションを繰り返し、まずは『自立』できるようになることが大事です。特にキャリアが短い人ほど自立することが第一優先ですね。僕も昔は自分で立てないのに焦ってあれこれと手を出してしまい、結局中途半端になったことがあって。まずはしっかり一つの事でトレーニングを積み重ね、自立できるようになりましょう。

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